当社が提供する 「機能訓練⽤ BMI(⼿指タイプ)」(以下、LIFESCAPES BMI)は、慶應義塾⼤学医学部との共同開発で製品化したものです。
今回は、慶應義塾⼤学病院、ニューロモデュレーションセンターに所属する理学療法士の奥⼭様に、「LIFESCAPES BMI」の実際の活⽤⽅法や効果について、お話を伺いました。
※⽂中、BMI については、概念は「BMI」、当社製品は「LIFESCAPES BMI」と表記しております。
【お客様のご紹介】
慶應義塾⼤学病院ニューロモデュレーションセンターでは、中枢神経障害後の運動機能低下に対するアプローチとして先進的な医療機器を活⽤したニューロモデュレーション治療が⾏われており、例えば、疾患により⽣じた移動・⾝の回りの動作・コミュニケーションなどの障害に対して、失われた機能の回復を促すとともに、残存能⼒を⾼め、患者さんが家庭や社会に復帰できるように、最新の知識と⾼度な技術を統合した治療が⾏われています。
【導⼊・活⽤】中枢性の神経障害がある⽣活期の患者様の外来での治療に、他のリハビリ⽅法と組み合わせながら提供
奥⼭様:私は、主に発症後、半年以上が経過し、回復期のリハビリテーションを終えた「⽣活期」の患者様に、運動障害に対する治療を⾏っています。
脳卒中や脊髄損傷など中枢性の神経障害によって体を動かすことが難しくなった患者様へ、運動療法を中⼼とする治療を⾏っており、外来で1時間15分ほどの治療時間の中で「LIFESCAPES BMI」を含む先進的な医療機器を活⽤しています。
特に「LIFESCAPES BMI」は、⼿指を動かすことが難しかったり、⼗分に動かすことができなかったりする患者様に対して、指の運動の機能向上に活かしています。
奥⼭様:従来、回復期などで⼿指が動かない状態の患者様に対しては、⼿の動きが制限されないように拘縮を⾏ったり、可動範囲が狭まってしまわないようにストレッチを⾏ったり、神経を刺激して筋⾁が衰えないように電気を使って動かしたりすることはできましたが、基本的なスタンスは「実際に指の動きが出るのを待つ」というものでした。
動きが出て初めて、「いかに引き延ばせるか?」を考えるという流れでした。
運動イメージやミラーセラピーといった、脳の活動を促す、エビデンスの⾼い⽅法はあるものの、これを継続できる患者さんも、適切に推奨できる療法⼠も多くはないと感じています。
⼀⽅、「LIFESCAPES BMI」は、運動イメージや電気刺激、ニューロフィードバックトレーニングなど、脳の活動を促進するさまざまな要素がパッケージ化された機器なので、⼿指を動かせるようになる可能性を⾼めるアプローチができるようになりました。

奥⼭様:2つあると考えています。
1つは、管理者としての役割。リハビリ治療中のセラピストを外から⾒ると、ボタンを押したり声をかけたりしているだけに⾒えるかもしれません。
しかし、「LIFESCAPES BMI」に記録されている脳波をリアルタイムでチェックし、ノイズが混⼊していないか、電気の刺激や装具への反応といったフィードバックが本当に脳波の変化が正しく起きた結果、与えられているものなのかなどに注意し、正しくない場合はどう正すべきかを考えて改善するという、BMIリハビリの質を担保する役割を担っています。
また、BMIにおいて重要なのが、筋⾁が縮む動きの感覚をイメージすることですが、患者様が頑張ろうとすると、体が過剰に動いてしまったり、指ではなく肘や肩が反応してしまったりといったことが起きてしまう傾向があります。
このような反応がないかをモニタリングしながら、過剰な動きを抑えながら適切な BMIリハビリの⽅法に導いていくという管理者の役割もあります。
もう1つが、患者様にとってのモチベーターになること。
ニュ−ロフィードバックトレーニングでは、繰り返すことで少しずつ学習すると考えられています。学習にも、さまざまな種類がありますが、「LIFESCAPES BMI」利⽤における学習には、わかりやすいコツや明確なポイントがあるわけではありません。
ずっとやっていくとなんとなく少しずつできるようになっていくというタイプの学習(潜在的学習)なので、患者様⾃⾝に「これで合っているのか?」「さっきは動いたのに、今回はなんで動かないの?」という疑問や不安が⽣じやすいのです。
そこで、セラピストが患者様の様⼦や脳波をしっかり観察して、正しいトレーニングができていることを担保した上で、トレーニングの質がどうだったか、何がうまくてきるようになっていたのかなどをフィードバックすることで、患者様が⾃信を持って取り組める環境を作ることも重要な役割だと考えています。
【成果・効果】わずかな動きが出てから回数を重ねるうち、定着に⾄った患者様も
奥⼭様:⼿の動き、指の動きに焦点を当てると、「LIFESCAPES BMI」でトレーニングを⾏った後は、物品を使った課題指向練習が効率的に⾏えると感じています。
「LIFESCAPES BMI」を使うと、指を握り込んでしまって掴みにくい患者様の筋緊張がゆるみやすくなります。すると、物を掴むスペースを作りやすくなるので、「⼒を⼊れて抜く」という練習が⾏える⼟台作りになるのです。

「LIFESCAPES BMI」は、⼒まずに運動することを求める機器なので、その後の訓練でも物を掴もうとした時に過剰な⼒が⼊りにくくなります。指を伸ばす動きが出やすくなれば、たくさん反復できるようになります。
リハビリにおいて、量を稼ぐことは重要なポイントですし、「LIFESCAPES BMI」があると、より良いかたちで繰り返すことができることもメリットだと感じています。
「LIFESCAPES BMI」は、指だけに限らず脳の活動全体に良い影響を与えるものだと捉えていますが、⼿の動き、指の動きに特化したものなので、それ以外の部分はほかのリハビリ⽅法を併⽤して補いながら治療を⾏っています。
奥⼭様:「LIFESCAPES BMI」の活⽤によって複数の患者様で成果が挙がっています。ある患者様は、腕全体の筋緊張が⾼くて指を伸ばせなかったのですが、「LIFESCAPES BMI」でのトレーニングを 30 分ほど実施した後、筋緊張がゆるみ、「指を伸ばしてくだ さい」と伝えたところ、ほんのわずかでしたが親指がピクっと動いたことがあったのです。かすかな動きでしたが、動いたことを患者様へ伝えて練習を繰り返したところ、少しずつ動きが⼤きくなり、「すごい!」と患者さまと喜び合ったのは、印象的でした。
この患者様は、外来で「LIFESCAPES BMI」でのトレーニングを重ねるごとに、動きが⼤きくなり、定着していきました。
⼿が握り込まれた状態だったので、⽣活の中でも⼿を洗うのが⼤変だったそうですが、指の筋緊張がゆるんだことで、洗いやすくなったと喜ばれていました。
また、指と指の間にスペースができたので、ポーチのチャックの開け閉めができるようになり、⽣活の中でも⾃主的にリハビリに取り組まれるようになりました。
個⼈差があるので、全員が同じように成果が出るわけではありませんが、「LIFESCAPES BMI」でのトレーニングを複数回、繰り返す中で、このような変化が出た患者様は複数⼈いらっしゃいます。
奥⼭様:治療がなかなか難しかったり、「どうやって良くしていけば良いのか?」と悩みやすい中等症〜重症の⼿の運動⿇痺の患者様たちに対して⼀つの武器になると思うの で、そこが「LIFESCAPES BMI」のメリットだと思います。
今後の発展も含め、近未来感、ハイテク感がある機器であり、わくわくするような技術なので、その点からもおすすめしたいですね。
慶應義塾⼤学病院ニューロモデュレーションセンターの各種取り組みについては下記からご確認ください。
ニューロモデュレーションセンターHP
https://bldg3y.hosp.keio.ac.jp/reha/
Youtube 上での BMI 紹介動画
https://youtu.be/XM_HEVAR-mw?si=6uhqYwpgzU4IgyOt
Instagram 上での BMI 紹介投稿
https://www.instagram.com/p/C8TVcypBK45/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MXJ jZWNhNTBuM3liMg==
