脳のしなやかさを
日々のよろこびへ

ふつうの日常にこそ
しあわせは隠されている

ふとすいこむ朝の空気
だれかと食べるごはん

頭の奥深くで生まれた想いが
ふるると震えて波となり
いま からだを動かして

わたしとテクノロジーが描く
ささやかで豊かな生活の情景

廃用手という言葉をご存じですか。脳卒中に罹患し、「生活のなかでは機能的に使うことができない」と判断された手のことを言います。廃用手と判断される割合は、約3割と言われています。

脳卒中は突然、訪れます。昨日までできた、ボタンかけ、ペットボトルの蓋を開ける作業などができなくなる。そんなことを、誰が想像できるでしょうか。人生100年時代、サイエンスとテクノロジーの進展は、私たちの予想を遥かに超えて、もたらされる利便性、人の可能性はますます広がります。私たちはBMIを通じて、脳の可塑性を引き出し、少しでも困っている人がその制約から解き放たれ、それぞれの人生の景色を描くご支援をさせていただきたいと思っています。

人の手は、社会や世界との大事な接点であり、新しい未来を切り開く窓です。少しずつでも一歩前に進んで、気持ちの良い目覚めを迎えて欲しい。手にもったスプーンでお食事を楽しんで、生きることを実感して欲しい。眺めの良い場所で胸いっぱいに深呼吸をしながら、その瞬間をスケッチに残して欲しい。

世界は刻々と変化を続けています。どのような環境でも、私たちはサイエンスとテクノロジーの可能性を追求して、明日のために精一杯生きる人たちを応援し続けます。

脳には本来、「治る力」が備わっています。病気やけがなどで傷ついても、新たなネットワークを築き、機能を再構築していく脳の性質のことを、「可塑性」と呼びます。
私たちは、BMI*(ブレイン・マシン・インターフェース)技術を通じて脳の「治る力」を引き出すことで、治療が困難とされている重度麻痺も改善できる世界に貢献します。
*BMIは、脳科学とAIが融合した技術の総称です。